記事更新:2021/11/26
パン屋を開業する際に必要な許可のひとつに、菓子製造業許可が挙げられます。
この資格はどのようにすると取得できるのでしょうか。
聞きなじみがないという方も多いことでしょう。今回は菓子製造業許可についてまとめています。
しっかり理解して、パン屋開業の準備を行いましょう。
菓子製造業許可と聞くと、お菓子を作るお店で必要なイメージがあるでしょう。
しかし、食パンも菓子パンも法律上「菓子」に分類されているのです。
そのため、食パンや菓子パンを製造して販売する際には、菓子製造業許可の資格がなければいけません。
菓子製造業許可は、パンを焼くために必要な資格ではなく、店頭でそれらを販売するために必要な資格ということです。
食品衛生法第52条で定められていて、食品を製造する際の設備が整っていることなどが認められなければ取得できません。
菓子製造業を取得するためにはどうすれば良いのでしょうか。
各都道府県の保健所で基準が定められているので多少違いがありますが、ここではよくある基準をまとめておきます。
製造するフロアは、住居部分と分けられている必要があります。
ねずみや昆虫の侵入を防ぐための設備が備えられていることや、換気設備があること、作業区分ごとに区画されていること、床が掃除しやすいこと、原料倉庫が設けられていることなどが求められます。
申請を行う際は、図面や各種配置図が必要になります。事前に用意しておきましょう。
包装室は、商品を包装する場所です。製造室と分けなければいけません。
床が掃除しやすいこと、手指消毒器具や流水式手洗い設備があること、ねずみや昆虫などの侵入を防ぐ設備があること、規定される照度をクリアした明るさなどが求められます。 申請を行う際は、図面や各種配置図を提出しなければいけませんのでまとめておきましょう。
菓子製造業許可を取得する場合、まずは保健所で事前相談を行ってください。
事前相談では、保健所からアドバイスや指摘を受けることがあります。
反映できるようにしっかりメモをしてください。
事前相談を受けてから、営業許可申請を行います。
そして施設検査日を決めて検査を受けるまでに、指摘された箇所を見直します。
基準を満たしていると認定されれば許可書を受け取れます。
許可書を受け取れたら、営業を始めることができます。
菓子製造業許可は、一度取得すれば良いというものではなく、5年から8年ほどで更新が必要です。更新時期に更新手続きを忘れないようにしてください。
菓子製造業許可の申請を行うにあたり、食品衛生責任者の設置届けも必要になります。
そのため、食品衛生責任者の資格を取得していない場合は、先にこちらを取得するようにしてください。
菓子製造許可を出す際に、自宅を申請できるか気になる人もいるでしょう。
結論から言うと、自宅を申請することはできません。
自宅で申請したい場合、毎日使うキッチンとは別に、製造スペースになる場所が必要です。
もし自宅で製造したい場合は、庭に製造スペースとなる場所を作るなどすれば、申請することはできますが、かなりの広さが必要ですし、お客さんに来てもらって販売するスタイルには向かないでしょう。
パン屋さんの中には、お店の中で手作りパンを食べてもらうスペースが設けられていることがありますね。
そのような場合は、菓子製造業許可だけでは、営業することができません。
飲食店営業許可が必要です。
飲食店営業許可は、サンドイッチやその他の調理パンを製造・販売する際にも必要となる資格です。
食パンや菓子パンだけでなく、サンドイッチも作りたいのであれば、飲食店営業許可も取得できていないと販売できないので注意してください。
飲食店営業許可は、必要な書類を揃えて保健所に確認してもらう必要があります。
飲食店営業許可を取得するには、まず保健所への相談を行いましょう。
相談に行く際には、お店の設備や配置図などが必要になります。
これらをもとに、保健所からのアドバイスがあるので、メモ書きして反映させるようにしてください。営業許可申請を行い、施設検査日を決めます。
施設検査日までに、保健所から指摘された箇所の最終チェックをしておきましょう。
保健所が施設検査を行い、基準を満たすことができていれば、営業許可書を取ることができ、営業開始となります。
営業許可は、一度取得すれば良いものではなく、更新が必要です。
有効期限の10日前までには更新するようにしてください。
飲食店営業許可の申請を行うにあたり、食品衛生責任者の設置届けも必要になります。
そのため、食品衛生責任者の資格を取得していない場合は、先にこちらを取得するようにしてください。
パン屋開業にあたり必要となる、菓子製造許可の資格について紹介しました。
まずは、ご自身のお店が菓子製造業許可だけで営業できるのか、飲食店営業許可も必要となるのかよく確認してください。
※コラム内容はPNパン人の見解です。
所属する組織、及びこのサイトの公式見解ではありません。