いろいろなやり方がありますが、ひとつのやり方として、以下のように段階を踏まえて進めてみる方法があります。
●どのようなパン屋を開きたいか、コンセプトを決める
●そのパン屋を自分で経営する技術と知識があるか考え、必要であれば学校に通うなどして製パン技術と経営の知識を身につける
※製造スタッフを雇うという方法もありますが、個人開業ではオーナーが製造スタッフを兼ねないと、人件費が増えて利益を出しづらい場合が多いです。
●自分が必要とする収入から店舗の売上目標を決め、その目標を達成するための出店計画を作成する
●店舗の厨房機器の選定、レイアウトの設計、工事の費用など計算する
●開業に必要な金額を合計して、自己資金で足りない場合は融資の借入や返済の計画を立てる
●厨房機器の発注、設計の依頼、工事の依頼を行ってパン屋を作り開業する

順番などは前後するかもしれませんが、おおよそ上記のような流れとなります。

必要な資格に関しては、基本的には保健所の講習に参加することで取得できる『食品衛生責任者』の資格があれば開業できます。
「調理師」や「製菓衛生士」の資格がある場合、食品衛生責任者の資格に代えることができます。

物件を借りて開業する一般的な個人店の場合、およそ500万円～1000万円くらいの初期費用がかかると想定しておきましょう。半分ほどはオーブンなどの厨房機器の設備費となります。設備は新品と中古で値段が変わりますが、中古の場合は修繕などの維持費やメンテナンス体制に注意する必要があります。
物件に関しても、厨房機器などが残った「居抜き」物件や、骨組状態の「スケルトン」物件などで取得費用と内装工事費用は大きく変わります。居抜きの場合、機器は中古になりますので、購入と同じように維持費やメンテナンスについて注意する必要があります。
居抜き物件の注意点などはこちら

自宅の場所によっては飲食店の営業に制限がある場合がありますので、事前に役所で確認を取る必要があります。
制限がない、あるいは一定の面積の範囲内であれば可能な場合は、自宅を改装して開業することができます。物件を借りるより低コストで開業できる場合が多いですが、もともと住宅は店舗向けの設計ではないため、大掛かりなリフォームが必要となる場合もあります。
また、自宅は多くの場合住宅地にあるため、効果的な宣伝をしないと周囲に認知されず、集客が難しい面があるので注意が必要です。

業務用オーブンやミキサー、ホイロや冷凍庫・冷蔵庫などの厨房機器が必要です。個人開業の場合、前日仕込みなど、少人数で安定した製造をするために、ドゥコンディショナーがあると便利です。
必要な厨房機器はこちら
販売の設備としては陳列用のショーケースや棚、レジなどの機材などが必要です。
ドリンクを提供するのか、イートインスペースを設けるのかなど、お店のコンセプトや販売商品によって必要な機材は変わります。機材が増えれば費用もかかり、スペースも必要になりますので、予算、お店のレイアウトやオペレーションなども踏まえて検討してください。