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レジの選び方
2020 9/4 update

パン屋開業ノウハウ レジの選び方

この記事では、個人がベーカリーを開業する場合に必要な「レジ」を選ぶポイントについて解説していきます。

レジを選ぶポイント

「レジ」は「キャッシュレジスター」の略称です。機能としては、会計金額を計算して売上記録を残し、レシートを発行してお金の出し入れをすること。 ですので、売上を登録し記録計算するレジ本体と、お金を収納するドロアー、レシートを印刷するプリンターの3点があるなら、どんなレジでも最低限の役割は果たすことができます。

レジにはいろいろなメーカーから様々な機種が出ており、機能も金額も千差万別です。 個人店を開業する場合にレジを選ぶ際のポイントは以下の4つです。 1.レジでの販売管理 2.レジの機能拡張と多店舗展開の可能性 3.レジの価格 4.店舗の外観・内装とレジ外観の兼ね合い ひとつずつ検討してみましょう。

1.レジでの販売管理

販売管理とは、「何が何個売れたか」を集計、分析することです。 お店の売れ筋(売れている商品)、死に筋(売れていない商品)の傾向を理解することで、よりお客様に売れるメニューの選定や商品開発が可能になります。 また、分野や商品ごとの売上集計をすることで、細かく正確な原価計算と管理が可能になります。

販売管理には次の2つの方法があります。 1.部門別販売管理(どの分野がどのくらい売れた) 2.商品別販売管理(どの商品がどれだけ売れた) 上記の1については、ほぼすべてのレジで可能です。 しかし2については、できるレジとできないレジがあります。 レジを選ぶ際、どこまで販売管理が可能かをよく調べてみてください。

もちろん、レジでは販売管理をしない、という選択肢もあります。 カフェなら注文伝票を集計し、ベーカリーやパティスリーなら製造管理表 (何を何個製造し、何個売れ残ったかの記録)を集計すれば、レジを通さなくても販売管理をすることができます。この場合は、レジは金額計算とレシート発行、お金の出納ができればどんな機種でも構わないことになります。

ただし上記の作業はそれなりに労力と時間を伴います。個人店ベーカリーの場合、オーナーシェフが店舗管理も兼ねるケースも多いですので、労力削減のためにも、レジの販売管理機能をうまく活用したほうが良いでしょう。

部門って何?

販売する商品を分類したカテゴリーを「部門」と呼びます。たとえば標準的なベーカリーなら、「パン」「スイーツ」「ドリンク(あれば)」の3部門あれば、だいたいの商品を分類することが可能でしょう。さらに細かく商品販売の傾向を分析したいなら、「菓子パン」「惣菜パン」「食パン」などと部門を増やすことも可能です。 部門をわけて売上記録を取ることで、どの分野の商品が売れているかの傾向を見ることができますし、部門別の仕入計算と合わせることで、分野ごとのより正確な原価率を出すことが可能になります。

2.レジの機能拡張と多店舗展開の可能性

レジで現金以外の決済をしたい場合、それに対応する機能のある機種を検討するのも一つの選択肢です。たとえば、電子マネーやクレジットの決済を導入する場合、その決済端末に自動的に情報を流す連動ができるレジであれば、金額を別途端末に入力する必要がなくなり、入力間違いを防いで時間短縮にもなります。

ただし、このような個別カスタマイズには別途開発や設定の費用がかかることも多く、その金額に見合う業務の効率化ができるかを考える必要があります。正直なところ、個人が初めてカフェを開業する場合、レジ決済の拡張性は重視しなくて良いと思います。

カフェやレストランの場合、小型のオーダー入力端末を使用して注文を厨房のプリンターに飛ばして伝票を発行する「オーダーエントリーシステム(OES)」が組み込めるレジが便利ですが、入力端末やプリンター数台の購入費用を含めると、レジ単体の数倍の費用がかかります。 ベーカリーやパティスリーの場合、対面販売のお店が多いと思いますので、ベーカリーカフェとして注文調理の商品を多数用意しないのであれば、この機能はそこまで重視する必要はありません。 ただし後述するアプリ型のPOSレジの場合、専用POSレジと比べて比較的安く( タブレット費用を含めると10万円は超えますが)オーダーエントリーシステムの構築が可能な場合もあるので、興味のある方は検討してください。

なお、将来的に複数の店舗展開を視野に入れているのであれば、各店のレジの規格を揃えたほうがよいだけでなく、インターネットを通じてリアルタイムで複数店舗の販売管理ができるPOSレジのほうが、通常のレジより望ましいでしょう。 ただしこの場合も、多店舗展開する段階でレジを入れ替えれば済む話でもありますので、個人が初めて開業する時点では重視しなくてよい部分です。

POSレジって何?

販売時点情報管理(Point of Sale、通称POS)が可能なレジのこと。商品が販売された時点で販売情報を収集記録し、インターネットなどを通じて売上や販売数量などの情報がリアルタイムで確認できるレジシステム。

3.レジの価格

個人開業の場合、この部分が大きな要素になるかもしれません。 レジの価格は、機能によってピンキリです。最低限の機能に絞ったものなら1万円台で購入できますが、自動釣銭機のついた最新型のPOSレジならば、1台100万円を超えるようなものもあります。

なお、レジの機械そのものの価格のほかに、 ソフトウェアの利用料や保守費などで継続的なランニング費用がかかる場合もあるので、検討の際には注意が必要です。

個人がはじめて開業する時、開業資金に限りがあるなかで、レジに高額な投資をする必要があるか?となると、端的には「NO」だと思います。 50万や100万もするレジを買うよりも、内装なり厨房機器にその金額をかけたほうが、お店のイメージや営業力は上がるでしょう。

ただもちろん、いろいろ管理ができないよりはできた方がよく、高価なレジほど高度な管理が可能なことも事実です。レジでどこまでの管理が必要で、自分がそれを使いこなせるかどうか、それがその金額に見合うかどうか、しっかり比較検討してください。

4.店舗の外観・内装とレジ外観の兼ね合い

お店の雰囲気、内装や外観などは、個人店カフェの売りのひとつと思います。 せっかくオシャレな雰囲気のお店にしたのであれば、レジもそれに合った外観のものを選びたいものです。

最近流行のiPadなどのタブレットを使ったレジは、タブレットのスタイリッシュな印象もあって、割とどんなお店にもマッチします。また、比較的廉価なレジでも、カラーにバリエーションがあったりするので、色合いから選ぶのも良いかもしれません。

ただしレジは機能を優先すべきです。手間はかかりますが、レジの外観はあとからシートを貼ったりして内装に合わせることも可能ですので、どこまでの機能が必要かを優先しながら検討をしてください。

レジの種類について

レジには大きく分けて、以下の3つのタイプがあります。

一体型レジ

レジ本体、ドロアー、プリンターが一体となったタイプ。小型でコンパクトなタイプも多い。最近は高性能で、簡単なPOS機能を備えたものも多い。 主なメーカー:シャープ、カシオ、東芝TECなど 値段は機能によりますが、1万円~5万円程度。

専用型POSレジ

パソコンを兼ねる大きな本体にレジキーがつき、ドロアーやプリンターが一体となったタイプ。商品販売の細かい分析ができ、拡張性も高い。また、インターネットを通じて多店舗の管理もしやすい。ただし専用機のため、大型で高額のものが多い。端末で注文を取る「オーダーエントリーシステム」と連携できる。 主なメーカー:東芝TEC、NECプラットフォームズなど 値段は機能によりますが、20万円~。

アプリ型POSレジ

iPadなどタブレットを使用し、アプリで起動するタイプ。ドロアー、プリンターは別売で購入することが多い。ある程度の拡張性があり、インターネットを通じた売上管理ができ、多店舗展開にも対応するものが多い。「オーダーエントリーシステム」に対応するアプリもある。 今主流となりつつあるタイプで、利用無料タイプのアプリと、月額課金タイプのアプリがある。iPadなどのタブレット端末が必要で、持っていない場合は別途購入する必要がある。 課金タイプのアプリ費用は、月額数千円~。タブレットや周辺機器を購入する場合は数万円必要です。
またお客様に金額を画面で表示する機能が原則ついていないので、ベーカリーなど対面販売の場合、カスタマーディスプレイ(別のタブレットで価格表示をする)機能があるサービスを選んだ方が良いでしょう。

どのタイプのレジを選ぶべき?

個人店ベーカリーでは、多くの場合、高価で大型になる専用型POSレジは検討対象外になるかと思われます。 レジに販売管理の機能が必要でなければ、小型の一体型レジで十分です。 ただ最近は、アプリ型POSレジが廉価で手軽に利用できますので、そちらも選択肢に入れてはどうかと思います。 一体型レジはレジにしか使えませんが、アプリ型POSレジの場合、アプリを閉じればタブレットとしてメール・インターネット閲覧や写真撮影の機能があり、そのままお店のSNSの編集などに使えるというのも大きなメリットです。

どのタイプのレジもたくさんのメーカーがあり、多様なサービスを展開しています。興味のあるレジの資料を取り寄せて、上記の点と予算を踏まえて検討し、納得のいくレジ選びをしてください。

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