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その他のベーカリー用厨房機器
2020 1/24 update

ベーカリーの主な厨房機器 その他のベーカリー用厨房機器

リバースシーター

別称パイローラー。クロワッサンやパイ生地等の折り込み作業を効率に行うための機械です。上下にローラーがついていて、ベルトが左右に動くことで生地に圧力をかけ伸ばしていきます。ローラーの幅を調節しながら、伸ばしを繰り返していくことにより、生地の層を作り出していきます。麺棒等の手作業で伸ばすことも可能ですが労力がかかるので、クロワッサンやデニッシュを数多く製造するためには必要な機材です。大型の電動式のものから、手動の卓上型のものまであります。

モルダー

生地のガスを均一に抜く機械です。ローラーで生地に圧力をかけ、生地中のガスを抜き、ロールします。基本的に生地を上部より投入し、ベルトでロールしながら中央部の受け皿に出す構造で、食パン等の生地から棒状に成形したい生地までロール幅を調整できます。
食パン等を大量に製造する店舗においては導入するケースも多く、また構造が似ているため、リバースシーターに加圧版という装置をつけ、兼用にする場合もあります。
バゲットモルダー、クロワッサンやバターロール専用の物もあります。 

分割丸め機

パン生地の分割、軽量、丸めがワンタッチでできる機械です。工程の中で一番時間のかかる部分を機械で分割して丸めまで行いますが、分割するだけの分割機もあります。
通常は一つ一つ手で分割して丸めるところ、数十個づつ自動で分割と丸めの両方を行うことが可能なため、この機械は菓子パン等の生産量の多いベーカリーだけでなく、少人数で運営を行う小規模店等でも効率化のために導入される場合があります。大きな生地は出来ない場合もあるので注意が必要です。全自動タイプから半手動タイプ等があります。

棹秤(さおばかり)

あらかじめ錘で重量を設定し、棹が釣り合うことで一定量の計量を素早く行う秤です。使い方に慣れると普通の計量秤よりも素早く短時間で計量ができるので、特に日本のベーカリーにおいて、分割の生地計量で使われています。秤を置く位置の傾斜などによって微調整が必要となるので、取り扱いには知識が必要です。

電子秤(デジタルスケール)

粉などの計量に使います。通常のキッチン用のデジタルはかりで問題ありませんが、機種により最小表示や最大表示が異なりますので、使用する用途、計る重量によって機種を選定する必要があります。0.1g単位で計れるものが便利です。
また、ボウルなどの容器の重量を「風袋(ふうたい)」として差し引いてゼロ計上する機能があると、計量スピードを早めることができます。

スライサー

パン専用のスライサーで、主に食パンのスライスに使用します。スライスの幅をミリ単位で設定し、パンの大きさと切りたい厚さに合わせて自由に調節することができます。フランスパンやライ麦パンなどを切ることもできますが、刃が痛みやすいため、研ぎや刃の交換を適切に行う必要があります。操作を誤ると指先を怪我する危険性が高いため、取り扱いには十分注意が必要です。
なお、スライサーという機械は、ベーカリー以外の用途の機種もあるので注意が必要です。 

フェルメント

扱いが難しく手間のかかる自然発酵種(ルヴァン・リキッド)や天然酵母を、温度管理・時間管理・撹拌管理を自動化することで、パン種として確実に発酵させる機械です。

ドゥフリーザー

生地を冷蔵・冷凍し保管するために使用する機械です。普通の冷蔵庫や冷凍庫と異なるのは、生地を冷やすために専用のバットを挿せる形状になっていることで、このバットの上に生地を乗せて保管します。
通常の冷蔵庫や冷凍庫(急速冷凍庫)等で代用する場合も多いです。

冷凍庫、冷蔵庫

コールドテーブル(台下タイプ)
縦型タイプ

業務用と家庭用の大きな違いは、容量と強度です。業務用の冷凍庫、冷蔵庫は、家庭用に比較すると強度が強いので、扉を開閉しても冷蔵庫内の温度上昇がある程度は防げることが大きなメリットです。なお業務用では、家庭用のようなドアの内ポケットや製氷機などの機構はありません。
業務用であっても、あまり頻繁に扉を開け締めすると内部の温度が上昇してしまい、食材の品質が劣化しますので、加熱調理機器のそばにアンダーカウンタータイプのコールドテーブル(台下冷蔵庫)を設置するなどの工夫をして生産性を高めるのと同時に、使う頻度が低い食材の保管には、設置面積の割に収納スペースが大きい縦型の冷蔵庫や冷凍庫を使用するなど、機器と作業導線を合わせて効率的な冷蔵冷凍機器の選択を行うことが必要です。

ドリンク等の保管には、専用の冷蔵ショーケースを使うことで、コストダウンや設置面積の縮小を図る場合もあります。最近では、従来の冷蔵庫に比較して、食材の乾燥を防ぐことができる高湿度冷蔵庫を導入する店舗も増えています。
なお、大型の保管庫が必要な場合は、プレハブ型冷蔵庫・冷凍庫などの選択肢もあります。

ショックフリーザー(急速冷凍庫)/ ブリストチラー

加熱されていない常温の食材を高速で凍結することができる冷凍機のことです。通常の冷凍庫は、既に冷凍してある食材等を冷凍保存するのが主目的で、常温の食材を冷凍すると冷凍時に食品の細胞が破壊されてしまい、壊れた水分とともに旨味の成分等が損なわれてしまいます。これを防ぐために、マイナス40℃前後の冷風を食材に当てることで通常の冷凍機よりも素早く凍結させ、旨味成分の劣化を防ぎ、菌の繁殖やドリップの流失を防ぐことを可能としたのがショックフリーザーです。「急速(瞬間)冷凍(凍結)機」「ショックフリーザー」等、メーカーによって呼称は様々ですが、機能や性能、価格等を比較して、自店の生産体制や商品コンセプトに適したものを選ぶことが大切です。
また、「ブラストチラー」という急速冷凍庫は、加熱調理した食品を約90℃から芯温3℃程度まで急速に冷却する技術を使用しており、加熱したての熱々の状態から急速に凍結させ、粗熱を取る段階で失われることも多い味、品質、食感を損なわず、解凍後もほぼ変わらない状態で再現が可能です。ショックフリーザーの機能とブリストチラーの機能を併せ持つ冷凍機器も増えています。

製氷機

氷を作る機械で、作られる氷はキューブタイプ(家庭の冷蔵庫で作る氷のような四角い塊)、細かなキューブ、フレーク(クラッシュ)、フレークを固めたセクターアイスなど、機種によって異なります。ベーカリーや飲食店では、使用用途が広いキューブタイプの製氷機が多く用いられます。
セクターアイスは氷が不透明で外観が良くありませんが、水の使用量が格段に少ないので、水道料金が高かったり、水不足の地域では有効です。また、空冷と水冷のタイプがあり、水不足のエリアでは空冷が好まれます。
ベーカリーでは生地を仕込む水の温度(仕込み水温)調節や、フィリングを冷やしたりする際に使用されます。製菓でも、生クリーム、生地を冷やす際等に使用され、用途範囲の広い機材です。
製氷機には「製氷能力」と「貯氷量」の表記があり、個人ベーカリーでは製氷能力25~45kg/1日の容量のものが主体です。しかしカフェを併設する場合は35kg以上、アルコール等で氷をさらに多く使用する場合等は45kg以上のものが望ましいです。店舗によっては厨房用と客席用にそれぞれ必要になる場合もあります。

ガスコンロ / ガステーブル

加熱調理に使用される機器で、バーナーの数により「2口」「3口」などの表記がされます。ビルや家屋の制限等でガスが使えない場合は、後述の電磁コンロが使用されます。
業務用のコンロは家庭用と比べて「ゴトク」(コンロの上についていて「鍋やフライパン」を支える金具のこと)がとても丈夫であり、ゴトク自体の重さもあって鍋などを置いた時の安定感が高いということのほか、火口が大きく燃焼カロリー(火力)が高いので、料理の製造スピードが速いことも重要な違いです。
ベーカリーや製菓では、カスタードクリーム、チョコ、カレーなど手作りフィリングの作成に主に使用されます。生産規模が小さいベーカリーでは、小型のコンロで代用される場合もあります。
コンロの下がレンジやオーブンになっているものあがり、最近では下部がコンベクションオーブンになっている物も販売されています。

電磁調理器 / 電磁コンロ

電気により加熱調理する機器で、「IH」(Induction Heater、誘導加熱器)とも呼ばれます。ガスが使用できない店舗だけでなく、ガスコンロやストーブは排気熱で厨房が熱くなり、数多く設置すると排気ダクトの設計が複雑になるので、代わりに電磁調理機器を使用する店も増えています。
加熱原理はコンロ内部に埋め込まれたコイルに電気が流れると、上に乗せた鍋の金属に誘導電磁波が発生して発熱します。上に金属がない場合はコイルに電気が流れていても加熱しないので熱くなく、燃焼しないので、原則的には排気も不要です。
アルミなどの金属は使用できないので、対応した調理器具の選定が必要です。また家庭用の出力が小さな機種は低コストですが、パティシエール(カスタードクリーム)等の強い火力が必要なものや、大量の湯沸かしには不向きのため、ガス器具等を併用するか、最低でも3KW以上の出力を持つ業務用電磁調理器を使用することが好ましいです。

電子レンジ

短時間での解凍や温めに使用され、活用により作業スピードを早くすることができます。業務用は家庭用と比べて出力が高い為、加熱時間が短く、温度ムラが少ないことがメリットです。しかし業務用の場合、通常の100Vのコンセントでは使用できないものあり、電気工事が必要になる場合も多いので注意が必要です。
家庭用の電子レンジでも、比較的出力が高いものも存在しており、業務用として導入している個人店も増えています。しかし、家庭用の電子レンジは耐久性が低いことが一般的ですので、使用頻度等も考えた上で検討することが必要でしょう。

フライヤー

食品を揚げる調理機器で、ベーカリーの場合はカレーパンなどの揚げパンに使用されます。フライものは一般的に180℃前後で揚げますが、温度が一定にならないと旨く出来上がらないので、サーモスタットをつけ温度を一定に保つようにしていることで、安定的な調理を可能にしています。コンピューターを内蔵し、食材の量によって油の温度が下がるのを感知して自動的に調理時間を調節するものや、タイマーのブザーが鳴ってもすぐに揚げることができないときもあるので、自動的に食品をいれたバスケットを油から上げるオートリフトの装置がついたものなどもあります。

作業台、シンクなど

2層(1層)シンク、平棚、パイプ棚、パンラック、作業台などの『板金もの』と言われる機材は、基本的に厨房機器と一緒に仕入、搬入、設置されます。必要な大きさや数は厨房のレイアウトやオペレーション等に応じて変わりますので、スペースや製造計画等を踏まえて検討してください。
また、シンク、扉付収納庫等、保健所から営業許可を得るために必ず厨房に備えなければいけない機器もありますので、設計の段階で保健所に確認を取って不備のないように準備した方が良いでしょう。

画像引用:日本ニーダー株式会社株式会社愛工舎製作所株式会社田中衡機工業所株式会社タニタ富士島工機株式会社フクシマガリレイ株式会社タニコー株式会社(引用順)

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