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イートインに必要な厨房機器
2020 1/24 update

ベーカリーの主な厨房機器 イートインに必要な厨房機器

ベーカリーやパティスリーにイートインスペースを設ける場合や、ベーカリーカフェとして営業する場合は、ドリンクを提供する機器、製菓製パン以外の調理機器などが必要になります。自分がイートインでどこまでドリンクにこだわりたいか、パン以外の商品をどの程度提供したいか、しっかり検討をして必要機器を選定してください。
テイクアウトと同じパンを店内で提供するだけでしたら、他の調理機器は不要です。また、ドリンクに特にこだわらないのであれば、後述のディスペンサーマシンを使って手軽に提供したり、パックや瓶、缶のままのスタイルでドリンクを提供しても良いでしょう。
ただ、ドリンクへのこだわりは他店との差別化として打ち出しやすい要素でもありますので、こだわる場合の機器のポイントについて以下に解説します。

コーヒーを抽出する機器について

ドリンクの中で、特に提供数が多いのがコーヒー。ハンドドリップなどの器具を使い手作業で淹れるこだわりのコーヒーは魅力ですが、専任のスタッフがつかない限りランチタイムなどの繁忙時には提供が追い付かなくなるため、個人店では機械を入れる場合が多いです。
コーヒーを淹れるマシンは、ドリップ抽出する機械と、エスプレッソ抽出する機械に大別され、それぞれ「家庭用」と「業務用」があります。小規模店では家庭用を流用することも可能ですが、一般に家庭用は業務用と比べ、容量や耐久性に大きな不安がありますので、故障時の対応も考えて検討する必要があります。

コーヒーマシン(ドリップマシン)

セミオート(タンク式)
オート(水道直結)

コーヒー豆を挽いた粉に自動でお湯を注ぎ、数分程度の時間をかけてフィルターを越して自然落下させるドリップ式の原理でコーヒーを抽出する機械で、ボタンを押すだけのオートタイプと、手動で都度豆や水などの補給が必要なセミオートタイプがあります。
個人店の場合、タンク式で1回あたりの抽出で1リットル程度を抽出できるセミオートを選択する場合が多いのですが、中規模店以上では水道直結のオートタイプが良く使用されます。この中にはハンドドリップのような「蒸らし」ができたり、雑味がコーヒーに入らないような機能があるものもあり、高い品質のコーヒーを淹れることができますが、価格は全体に高額です。
個人店で主流なタンク式のセミオートタイプでも、工夫次第では同様のものを提供することも出来ますので、導入には自店の状況を踏まえ、仕様や容量等を検討してみてください。
コーヒーを豆から挽く場合は、挽きの粗さを変えることができるコーヒーミルが必須となります。また、アイスコーヒーを自店で抽出する場合、最低でも1リットル程の抽出ができるコーヒーマシンが必要不可欠です。

エスプレッソマシン

細かく挽いたコーヒー粉を押し固め、そこに高温高圧の熱湯を圧力で押して高速で通過させてコーヒーを淹れる機械で、高圧状態で20~30秒ほどの短時間で抽出するため、豆に含まれる成分を多く得られ、独特の濃厚な風味があるコーヒーを淹れることができます。
1杯あたりのコーヒーの量は30ml程と少ないので、デミタス(仏語:demi=半分、tasse=カップ)と呼ばれる小さいカップに入れてそのまま「エスプレッソ(伊語espresso:急速、急行の意味)」として提供され、イタリアやフランスではもっとも良く飲まれるタイプのコーヒーです。日本ではそのまま提供するスタイルはそこまで一般的ではなく、ミルクなどの副材料を加えた「カフェラテ」や「カプチーノ」「マキアート」といったアレンジメニューが人気を集めています。
豆の挽きから抽出までの全てをマシンでこなせるタイプがフルオート(全自動)、タンピング(タンパーという器具にコーヒーの粉をセットして真上から垂直に力を加えること)、ホルダーの装着、スチームを人によって行い、抽出をマシンが行うタイプをセミオート(半自動)と言います。「バリスタ」と呼ばれる専門職が広く使用する機械は「セミオート」とよばれるタイプです。

セミオート
オート

セミオート式は、給排水工事が必要な水道直結型と、工事が不要のタンク式の2タイプに大別することができます。エスプレッソ系のメニューをドリンクの中心にする場合は水道直結型を選択した方が良いでしょう。
さらに、注ぎ口が1口の小型機と、2~3口の大型機があります。設置スペースや価格の点から、個人店では1口(1GR=1グループヘッド)の機器を導入することが多いです。電源は100Vで動く機種もありますが、電圧の安定する200Vを使う方が良いでしょう。エスプレッソマシン専用のグラインダーも必須で、浄(軟)水器も年ごとに交換が必要となり、コーヒーマシンと比べると一般にコストは高くなります。
各メーカーとも上位機種になると独自の創意工夫があり、機器の見た目も良いですが、価格は相応に高くなります。また、導入にあたっては価格面だけでなく、メンテナンス面も非常に重要です。故障時の代替機の貸出サービスやサービスマンの対応などもしっかり調べて検討してください。特に中古品の場合、このようなアフターサービスがないことが多いので注意が必要です。

ディスペンサーマシン

パウダーやリキッドなどに水、お湯、炭酸水などをブレンドし、コーヒーや清涼飲料を抽出する機械で、コンビニやファーストフード、チェーンレストラン等によく置かれています。
基本的に、ベンダーと呼ばれる供給会社から機器を月額レンタルで契約し、機器専用のパウダーやリキッドを購入して抽出する形となります。契約年数に縛りがあったり、中途解約すると違約金が生じるケースもあるので、契約条件を確認してください。
近年高機能化が進んでおり、コーヒーマシンと一体型になって豆から挽きたての本格コーヒーが楽しめる機種もあります。コーヒー専用のマシンに比べてコストが高くなりがちな点には注意が必要です。
導入した場合、ノズル等の洗浄といった毎日の機器メンテナンスに注意が必要で、怠ると細菌が繁殖しやすくなり、味の劣化や衛生面での問題を生じる恐れがあります。

自動食器洗浄機

商品やドリンクの提供に紙やプラスチックなどの使い捨て食器を使用すれば、ゴミとコストは増えますが、洗浄は不要です。
使い捨てでない場合、ピークタイムにはグラスやお皿を洗浄するのに相応の労働力が必要となります。この対策として、自動食器洗浄機を導入すると、短時間で効率的に什器の洗浄が可能です。
洗浄機は温度を高温にし、洗浄能力と殺菌力を高めます。ただし乾いた汚れなどは落としきれない場合もあるので、そのような汚れがついた食器は水やお湯を張ったシンクに漬け込んで予備洗浄が必要なほか、洗浄後の汚れのチェックが必須です。このため、食器を使い捨てにした場合と比べると、やはり多少の労力は必要となります。
業務用と家庭用の食器洗浄機は、仕上がり時間が全く異なります。 業務用は約1分で洗浄可能ですが、家庭用は乾燥を除いても30分程かかることもあり、店舗には不向きです。業務用食器洗浄機は、家庭用に比較して強いアルカリ剤の洗浄液を使用しているため、洗浄液の取り扱いに関しては特に注意してください。

食器を使い捨てにするかしないかは、人員計画やオペレーション、損益を踏まえて判断が必要な部分と思います。
カフェ業態の場合、食器もお店の雰囲気づくりの要素のひとつですが、ベーカリー業態の場合はあくまでパンという商品が主役で、かつ個人店の場合は最低限の人員で営業をせざるを得ないケースが多いので、使い捨ての食器を積極的に導入したほうが良いように思われます。その場合、使い捨て食器のコストを見越したドリンク等の値段付けが必要になるでしょう。

その他の調理機器

パン以外の商品をイートインで提供するのであれば、場合によってはそれに応じた調理機器が必要となるかもしれません。肉などを焼くグリドルやサラマンダー、パスタを茹でるボイラー(ゆで麺機)、炊飯機器などなど、便利な機械はたくさんありますが、コンロにフライパンや鍋をかけて対応できるケースも十分に考えられます。
個人店を開業する場合、限られた資金の中で厨房機器を揃えるケースがほとんどですし、オーナーシェフとして個人が製パンと調理の中心となるのであれば、メニューを絞らないと商品提供が厳しくなる場合も多々あります。商品計画や人員計画、製造提供オペレーション等も踏まえて、厨房機器の選定と導入は慎重に検討してください。

カフェを中心にしたベーカリーカフェを検討されている方は、姉妹サイト「カフェ人どっとこむ」の厨房機器情報もご覧ください。

また、パン人どっとこむでは、開業計画に沿った必要な厨房機器の選定のアドバイス、厨房機器メーカーの専門スタッフを交えた打ち合わせなどの機会を無料でご提供しているほか、厨房レイアウトの作成や機器購入のサポートもしています。ご興味がおありの方は、こちらをご覧いただき、お問合せやご相談をいただければ幸いです。

画像引用:株式会社カリタトーエイ工業株式会社コカ・コーラボトラーズジャパン株式会社タニコー株式会社(引用順)

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