物件が決まったら店舗設計開始です
セルフサービス型の場合は、トレイとトングを手にして商品を選びながら廻る状況をイメージし、ディスプレイからレジカウンターへのスムーズな動線を検討します。
ディスプレイは一連の商品が見渡しやすい高さを配慮し、多段式のディスプレイ棚の場合、最上段の商品の見え方、取りやすさを考慮が必要です。
尚、なるべく屋外からディスプレイの状況が解りやすい様にファサードにガラス窓等の工夫がお勧めです。
お客様の多くは手荷物をもっていることが多いためレジ付近に荷置き台があると便利です。
尚、最近ではエアレジの採用が増えており。レジ廻りもスマートになりつつあります。商品の売り上げデータや経理対応等便利な機能を備えたものが多そうです。販売スタイルを把握の上検討が賢明です。
売り場内は元より、厨房内は作業効率を配慮した機器のレイアウトが重要な検討事項になります。
数多くより効率よくパンを製作することが必要なため製作の流れを重視した動線での機器レイアウトが望まれます。
厨房にはニ槽シンク・作業台・冷蔵庫・扉付き収納庫・手洗い器以上の機器が営業許可を得るために必要な厨房機器で、これに菓子製造のためのオーブンやドゥコンディショナー・ミキサー等が加わります。
メニューによってはリバースシーターやモルダー等も加わるとかなりまとまったスペースが必要になります。
ちなみに、オーブンの横にドゥコンディショナー、ミキサーの側にはシンクがあると便利です。
厨房スペース及び形状は計画上早い段階で検討するのが賢明です。
尚、メニューにサンドイッチがあるとサンドイッチ専用の厨房(冷蔵庫・ニ槽シンク・作業台・扉付き収納・手洗い器)が保健所の指導で必要になってきます。その理由は生物の多い調理場と熱のこもる他の厨房と区画する意味があるようです。
また、厨房内にはグリストラップが必要ですが。よくある床下に埋設するグリストラップよりもシンク下に設置する置き型グリストラップの方が工事額が安価で床に水を流さないドライ工法と称し、ゴキブリの発生を抑えるため保健所もこれを推奨しているようです。
営業許可を得るため保健所への申請および検査が必要ですが。指導内容は地方自治体で若干変わるため、プランができた段階で管轄の保健所への事前相談をお勧めします。
普段から身近に感じるベーカリー事業ではありますが、起業するとなると計画の進め方、事業計画の立て方、物件の選択等慣れないことも多く、実務は同業種店舗のアルバイトでいろはを学び経験することも出来ますが、パンの作り方を教わることと同様に、店舗経営や設計等の専門家へ積極的に相談することも起業前に得ておきたい知識です。
起業することはオープンすることが目的ではありません。夢を形にした後はいかに運営継続していくかがポイントです。地域に根付いたベーカリーになるよう工夫して参りましょう。