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パン屋を開業するために必要な資金費用は?
2021 5/15 update

パン屋開業ノウハウ パン屋を開業するために必要な資金費用は?

記事更新:2021/06/11

日本は人口が減少しつつある現在もパンは人気です。老若男女問わず手軽に美味しく食べられるのが理由となります。このため、パン屋開業を考えている人も多くいます。しかし、パン屋の経営にはそれなりの費用がかかります。パン屋開業を成功させるためには美味しいパン作りだけでなく資金繰りも重要な要素となります。

初期費用はどのくらい?具体的な内訳

まず開業計画を立てたら必要な資金を調達する必要もあります。店舗を構えてパン屋開業するなら最低でも500万円、およそ1000万円の初期費用がかかります。資金の半分程度はパン製造のための設備費となります。

冷蔵庫・オーブンは業務用となるので揃えるのに100万円以上かかってきます。設備をリースすれば費用を抑えられますが修理費は自己負担なので、将来を考えて決めましょう。

物件は自分が作りたい店舗をどうするかで必要な費用が異なります。節約したければ自宅を店舗用に作り変えれば可能です。必要な資金を自分でまかなえればいいですが中々そうはいきません。

そのためには政府系金融機関である日本政策金融公庫で融資を受けるのが有効な選択肢です。経営者や事業計画を審査するので銀行で融資するよりも審査に通りやすいでしょう。地域によっては自治体が独自で融資や補助金をおこなっているのでぜひ活用してみましょう。

最近ではお店を構えないインターネットの出店も増えています。独自ドメインでネットショップを作る、オンラインショッピングモールに出店する方法があります。こちらは初期費用が250万円程度と安く済みます。しかし、店舗と異なり販売の事務作業や衛生管理の徹底が重要となります。

ネットの利点を生かしてシステム化する部分と手動でおこなう部分に分業しましょう。事前に予行練習をおこなってスケジュールを立てることが大切です。

運営にかかる費用は?

パン屋開業をすると経営していくうえでさまざまな費用が必要となります。賃貸にするなら毎月家賃を支払います。物件によって異なりますが、ターミナル駅周辺など好アクセスの場所では20坪で月50万円以上します。駅から離れた場所なら安くなりますが場所によっては集客がしづらいこともあります。

事前に立地調査をおこないましょう。売上を見込むためには良い立地を探す必要があります。パン屋では衛生用品が最も多くかかる備品です。陳列の箱・布・フィルム、持ち帰りの袋やパン製造用の手袋など多くの備品が必要です。持ち帰り袋は1000枚入りなら1500円、手袋は100枚入りで1000円程度かかってきます。袋100枚が1週間、手袋100枚が5日程度でなくなってくるので月数万円となるでしょう。お客様が使うトレイやトングも衛生上定期的に交換するための費用がかかってきます。細かな経費事業計画に見込みましょう。

パンの製造に大きく占める材料費はどんな素材を使うかで費用が前後します。売上の25~30%になりますが、こだわりの素材を使えばこれ以上いくこともあります。一般的なパンの材料費としては月50~60万円かかるでしょう。しかし、安い材料を仕入れて費用を抑えてもパンが美味しくなければ意味がありません。安くて良い材料を仕入れることが大事な要素となってくるでしょう。パン屋は店舗からそれほど離れていないお客様を相手にする地域商売です。しかし、場合によってはウェブやチラシなどでの広告宣伝費も必要になります。最近ではネット上の口コミが重要となってきます。ホームページやSNSで良い口コミをもらえればそれだけ集客に繋がるでしょう。来店したお客様に無料の試食を出すことも宣伝費に入ります。

美味しくないパンでは評判が悪くなるので売れ残りのパンを出すのはおすすめできません。試食を多く振舞ってもリピートするお客様が増えれば広告費の回収ができます。現在はホームページを立ち上げたり、SNSで宣伝することは大きな意味を持ちます。これまでにないいつもと違うユーザー層がお客様になる可能性もあります。ホームペーを作るなら安くても10~30万円程度かかります。無料でホームページを作成できるツールもあるので費用を抑えることは可能です。しかし、ホームページを立ち上げてもすぐ見てもらえるわけではありません。そのためには検索の対策やウェブ広告が必要になります。ウェブ広告は集客目標人数によりますが月数万円かかってきます。

地域商売なので地元情報を扱うフリーペーパーやウェブメディアへの出稿もおすすめです。パン屋は光熱費(特に電気代)は大きくなってきます。パンを常に焼いているので電気代だけでも10万円近くは見積もりましょう。その他の光熱費を合わせたら月20万円程度は見込んでおいてください。パン屋はどうしても朝が早く夜も遅いため他より人件費が高くなります。従業員を最低限の人数(3人)と考慮しても100万円以上かかってきます。最初は少人数で経営できる大きさの店舗にとどめておくのも有効です。

その他費用や経費

他にも法人税や法定福利費などもおろそかにできない経費です。

個人事業主の場合、所得に応じて約15~30パーセントの税金がかかります。法人化するなら年商1000万円程度が必要なので税理士や税務署などに相談してみましょう。税務処理を税理士に依頼したら年間20~30万円の顧問料も経費になります。専門のソフトを利用すれば月額1万円程度で済みますが、作業には税務知識が必要になります。

確定申告はある程度知識を覚えればおこなえるのでご自身でやってみましょう。一方で法人の決算は税理士に依頼したほうが費用対効果が高いです。また、20~30万円ほどを経費として保持するといざというときに安心です。

パン屋を開業するには何かと大きな費用がかかってきます。美味しいパンを皆に届けたいという気持ちだけでは、後々費用面などで問題にぶつかりやすいです。一人でも多く集客するための方法や初期費用を抑える方法などを考えることが大切です。経営者としての自覚と視点も大切になります。パン屋開業後も売上や経費を把握して長期的な目線を持ちましょう。フランチャイズを使ったりインターネット上で出店するのも良い方法です。

※コラム内容はPNパン人の見解です。
所属する組織、及びこのサイトの公式見解ではありません。

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パン人
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